本校所在地「葛山(かつらやま)」の由来について。

公開日 2021年08月07日(Sat)

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 本校2号棟4階(化学室前)から,北側を見た風景です。

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 写真中央に鳥居が見え,その上に実方神社が見えます。

 本校所在地の葛山の由来について、葛(かづら)が群生していたためと説かれることが多いが、ここでは葛城山説を考えてみたい。
 本校校舎4階から北側を見ると稲荷川を挟み実方神社が正面に見える。神社の説明板には、実方という地名は平安中期の歌人藤原実方に由来するとある。『新古今和歌集』にある実方の歌「いかにせん久米路の橋の中空に渡しも果てぬ身とやなりなん」から採って実方橋となり、周辺の地名となったとされる。
 歌中の久米路の橋は、役行者が(奈良の)吉野山から葛城山に架けようとした伝説上の橋のことだが、鹿児島の吉野から実方を挟み、本校の葛山に至る位置関係が類似している。葛山が奈良の葛城山に因むと考える所以である。こじつけと言われそうだが、周辺地域には古歌や伝説に関わる地名が多く見られ、近世初期の和歌を好む島津の殿様が、地名の名付けをしたのではないかと思われる。