公開日 2021年10月17日(Sun)
1.高原の吉野は青空にいちばん近い ぐんと背のびをすれば 青空に両手がとどく この美しい国で なごやかな心と心を結ぶ われらわれら吉野中学 | 2.三つのペンをかたどった われらの校章 光る三つのかなえは奥ふかい 学びの道を朝な夕なに示す あこがれの歌声たかき所 われらわれら吉野中学 | 3.桜島霧島開聞とひとめに のぞむすみきった空気の中で ひるまない強い体と 知恵と誠とをみがく 寺山に偉人の跡をしのぶ われらわれら吉野中学 |
吉野中学校は、鹿児島市立第一中学校として昭和22年創設され、2年後に現校名に改称されました。校歌は創設直後ではなく6年後の28年に成立しました。戦後の混乱期ですぐには校歌制定に至らなかったようです。作詞・作曲は、久保けんお氏です。
久保氏は喜界町出身の民謡研究家・音楽教師として大変有名な方です。大正10年喜界島荒木に生まれ、昭和17年鹿児島師範学校を卒業し、種子島の小学校に赴任し、戦後まもなく民謡収集を始めました。氏は県内くまなく歩き、多くの民謡やわらべうたを記録に残したそうです。鹿児島の歌として有名な茶わんむしの歌や薩摩兵児謡(おどま薩州薩摩のぶにせ~)等も氏によって発掘収集されたものです。平成3年死去、享年70歳でした。
さて歌詞を見ると、他に例を見ないスケールの大きさを感じます。市内40中の内、桜島を歌う例は31中で78%に上りますが、桜島・霧島・開聞の3カ所を一望できるとした例は県内小中高併せても無いのではと思います。また1番の「青空に一番近い」「この美しい国」といった歌詞や、3番で「寺山に偉人の跡」と吉野開墾社等西郷さんゆかりの地について盛り込んでおり、素晴らしい校歌だと思います。