鹿児島東高校校歌の歌詞について ②

公開日 2021年05月28日(Fri)

校歌

  校歌はその学校創立時の思いが込められ、代々歌い継がれて校風を醸成し、校内の一体感をもたらすものだろう。本校校歌は特に詩的イメージが濃厚であると思う。例えば一番歌詞の冒頭「星満天に輝きて 東天ひそかに朝を呼ぶ」が素晴らしい。東天は明け方の東の空のことだが、本校の暗示でもあろう。最後「地に輝ける星となれ」と歌うので、主体は星で、星が朝を呼ぶのだろうと思うが、東天が静かに朝を呼ぶとも読める。
 椋鳩十が作詞した県内57校の校歌の内、確認出来た27校を見ると、「明けの星」(明星)が「朝を呼ぶ」という歌詞が5校あった。椋は多くは明星が朝を呼ぶと作詞したが、本校では(夜中の)満天の星ではなく、(明け方の)東天が朝を呼ぶと詠んでいる。すなわち、これは生徒一人一人が努力することによって、東高校全体で未来を創造するとの意味を込めたのではないかと思う。素晴らしい歌詞である。