校歌の研究 その18 ~福平中学校

公開日 2021年12月05日(Sun)

福平3

福平1

1.萌える若くさ あけぼのの光照り添う 丘の上たぎる生命の若人がかざす理想の旗じるし文化日本の 建設を誓う至純の情と熱 2.遠くそびえて さくら島示す久遠の あこがれに みがく究理の 智と心そろう足音 ほがらかに高く希望の 目をあげてすすむ福平中学校 

 福平中学校は、谷山町立第四中学校として昭和22年創設され、24年現校名に改称され、42年に鹿児島市立となりました。旧谷山町内には第一中から第四中まで番号がついた学校が出来ました。それぞれ現谷山中・和田中・谷山北中・福平中です。設立2年後の24年に校歌が制定されました。作詞は郡山繁、作曲は田中義人です。田中氏については伊敷中のところで紹介しました。郡山氏は未詳です。
 さて歌詞について。市内40中のうち、歌詞が2番までしかないのは、当校と黒髪中のみです。歌詞を見ると、1番は生徒の事を歌い、2番では桜島を歌っています。近くに大きな川は無いですが、錦江湾について歌う3番があっても良さそうです。はじめから作られなかったか、それとも実は存在するのか、謎の3番です。
 当校HPによると、沿革史の中で、校名は幸福の福と平和の平から、福平としたとの話が出てきます(校域の、下福元と平川からとった説もあり)。終戦直後の復興の気運が象徴され、1番の歌詞にも「文化日本の建設を誓う」とあり、その思いが強く込められています。同じく1番に「あけぼのの光照り添う丘の上」とあり、この丘は、当校西側に、南北に連なる薩南山地(現指宿スカイラインがその尾根沿いを走る)のことを指しているのでしょうか。2番では「遠くそびえてさくら島」とあり、当校からはるかに望む桜島に対して、久遠、あこがれ、究理、希望と表現しています。

福平地図