校歌の研究 その29 ~緑丘中学校

公開日 2022年01月05日(Wed)

緑丘中1

緑丘中2

1.けむりを空に噴き上げて いのちを燃やす桜島 ああその雄姿のぞみつつ 自ら学び励むもの 中学われらに力あり 2.緑丘のあけくれに 友愛花と咲くところ ああはつらつの眉上げて 真理の道を進むもの 中学われらに誇りあり 3.したたる汗に健康の よろこび歌う若い声 ああその意気にこぞりつつ かがやく明日をめざすもの 中学われらに使命あり

 当校HPによると、緑丘中学校は、昭和49(1974)年に創設されました。校歌は2年後の51(1976)年に制定されました。作詞は高城俊男、作曲は吉崎清富です。高城氏については、長田中学校の所で触れました。
 吉崎氏は、ウィキペディアによると、日本の現代音楽作家です。昭和15(1940)年秋田県大館市生まれ。中学卒業と同時に上京し、桜美林高校、東京芸術大学、同大学院を修了しました。作曲を下総皖一、石桁眞禮生に師事し、ベルリン国立音楽大学に留学し、国際コンクールで入賞を果たします。同大卒業後ベルリン工科大学電子音楽スタジオ研究員に着任。鹿児島大学講師着任後、東京学芸大学教授、国立音楽大学講師、鹿児島大学教授を歴任し、令和3(2021)年瑞宝中綬章を受章されました。三枝、西村、松平、水野氏らと結成した「オーケストラ・プロジェクト」、自らが主宰する作曲グループ「パッケージ21」等において、ユニークで鮮烈な作品を多数発表し、NHK電子音楽スタジオ等からの委嘱による電子音響作品やコンピュータ音楽作品も手掛け、実験精神に溢れながらも正統な現代作曲技法に裏打ちされた作風は、極めて独創的な音楽世界を確立したものとして高く評価されているそうです。
 さて歌詞について。作詞担当の高城氏は県内5中、長田中・河頭中・桜島中・和田中・当校の作詞をしています。共通する特徴としては、1番に桜島、2番に錦江湾を歌い、最後に校名でしめくくるというパターンが多いようです。ただ錦江湾より離れている河頭中は甲突川を歌い、当校は緑丘を歌っています。また古語を好んで使う傾向もあります。当校では2番に「あけくれに~真理の道を進む」とあり、朝夕問わず、真理探究に励んでいくという意味合いでしょうか。同じく2番の「友愛花と咲くところ」もよく出てくる表現です。3番では「かがやく明日をめざす」と郷土建設を歌います。

緑丘中地図

団地地図

 緑丘中は、第2次ベビーブーム(1970年代初頭)、伊敷団地造成(1966から1971年)による人口急増の受け皿として、創設されたものと思われます。